アドラー心理学とヨガ哲学 ~エゴの認識と理解~


近年「嫌われる勇気」とい本がベストセラーになり、注目されているアドラー心理学は、ヨガ哲学の本質に合い通じるところがあり、非常に興味深いです。

心理学と哲学と分野は異なりますが、アドラー心理学を解説しながら、ヨガ哲学の理解も深めることができます。

○ ライフスタイル

一般にライフスタイルと言うと、日常生活の行動様式のように考えられれますが、アドラーの唱える「ライフスタイル」とは、その人の個性や性格を示します。

アドラーによると、「ライフスタイルは10歳までに自分で決めた」ものであると定義します。そして、そのライフスタイルは、自分次第で容易に変えることができると説きます。

その根拠は、今現在のライフスタイルを決定しているのは、今現在の脳によって、様々経験することを認知して作り出しているからです。

つまり、すべては今の認識次第で、人生の見方はどのようにでも変えられると説いているのです。

 
そして、人はどのような状況でも、自分の生き方を選択や決断する自由な意志を持っていると、アドラーは考えます。

 
その自由な意思を、「自己決定性」と定義しています。

このことに関して、アドラーは次のような名言を述べています。

 
「人生が困難なのではない。あなたが人生を困難にしているのだ。人生はきわめてシンプルである。」
 

同じようにヨガ哲学で、智慧を意味する「ヴェーダ」の中で、今生の人生を本当に歩み始める年齢が、8歳から12歳の間だと定義しています。

 
インドでは、8歳から12歳の間に、ウパナヤナupanayana(入門式,2度目の誕生)という入門式が執り行われ、首からひもをかけられます。

そして、「プルシャアルタ」という自助努力によって、人生を切り拓いていくと考えられています。

ここで大切なのは、我々は毎日体験する事実を、自分の脳で「認知」して、解釈して受け入れているということです。

ですから、同じ青空を見ても、ある人は「スッキリした晴天」と感じるし、ある人は「憂鬱なブルー」と感じることもあるのです。

サンスクリット語で「ダルシャナ」と言われる言葉が、日本語で哲学と翻訳されています。

しかし、元々「哲学」は、英語の「フィロソフィー」の翻訳です。

そして、フィロソフィーは,ギリシア語の〈フィロソフィアphilosophia〉に由来し,〈知恵(ソフィアsophia)を愛する(フィレインphilein)〉という意味の言葉です。

 
一方、ダルシャナとは、「真実をありのまま観る」ということです。

 
つまり、人間は自分固有の物の見方に対する癖があり、その癖によって「事実」を「解釈して」、それが真実であると誤って認識しているのです。

 
私は、いつもヨガ哲学の講義をすると気づくのですが、一般の人はヨガ哲学は複雑で難解と考えますが、事実はヨガ哲学に触れない人ほど、遥かに人生を複雑に考えているということです。

 
この点に関しては、アドラーの考えとヨガ哲学の考えは一致しています。

 

○ 人生の目的

人間の幸福感について、一般の心理学では、「マズローの5段階欲求」が主流となっています。

その5段階とは、生理的欲求がベースとなり、最上位が自己実現という構造です。

具体的には、以下の5段階です。

 
1) 自己実現欲求 (ビジョン、ミッション)

2) 尊厳欲求 (賞賛、承認、評価、昇進)

3) 社会的欲求 (人間関係、信頼関係)

4) 安全欲求 (雇用安定、信頼関係)

5) 生理的欲求 (生存、生活)

 
先ずは、一番ベースの生理的欲求が満たされて、段階的に欲求の内容が変化して、人生の充実感が増していくという考えです。

しかし、アドラーは、この「マズローの5段階欲求」を完全に否定して、「共同体感覚」を養うことが、人間の幸せにしていると説きます。

その「共同体感覚」を養うには、以下の3つの要素が不可欠であると定義しています。

 
1) 自己受容
今の自分自身をありのまま受け入れることによって、それまで自分の高い理想によって、自己を否定することを避けることを目的とする。

2) 他者信頼
自己に執着するのではなく、他者を受け入れ信じること。

3) 他者貢献
自己犠牲するのではなく、相手の役に立つことで、自分の存在価値を認めること 

 
ヨガ哲学では、人間は真実の世界認識してるのではなく、誤った物の見方によって幻を見ていると説きます。

この事は、自分自身についても同じで、自分の誤った認識で、自分を卑下してしまっていることが非常に多いです。

その為、正しく自分を認識するには、先ずは今現在のあるがままの自分を、「これでいいのだ!」と何も評価せず、全てを受入れることが大切です。

 
また、ヨガ哲学で言う、「アートマン」即ち魂は、全ての人と繋がる存在であるので、「アートマン」を理解するには、自他を区別しない意識が絶対に必要となります。

自分だけが良いという考えは、自分の本質である「アートマン」から意識を遠ざけてしまい、人生を「迷妄の奈落」へ導くものです。

それを避けるには、アドラーが主張する「他者信頼」「他者貢献」という概念は、非常に役に立つものと言えるでしょう。

 
近年アドラーの心理学は、コーチングに応用され、人生をより良く生きていくツールとして活用されています。

 
私はコーチングの資格を5年前に取得して、ヨガ哲学を実際の人生に於いて活用するツールとして、コーチングを用いています。

 
また、コーチングのルーツは、ヨガの聖典「バガヴァッド・ギーター」に見ることができます。

これについては、まだ別の機会にご紹介しようと思います。

 
今後は、ヨガとコーチングを組み合わせ、より多くの人が自分の人生に充実感を見出すことのお手伝いもしたいと考えおります。

 
(参考ページ)
スダルシャナヨガ クラス内容 :ライフスタイルコーチング
↓ ↓ ↓
ライフスタイルコーチングクラス内容ページ


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この記事の著者

ユキオスダルシュナヨガ主宰

ヨガ歴20年、ヨガ指導歴13年。日本で最も有名なアシュタンガヨガスタジオIYCほか、国内著名ヨガスタジオ、スポーツジムにて指導経験を積む。取得した指導者養成資格多数。近年は、ヨガ哲学をテーマにワークショップを数多く開催する一方、ティーチャートレーニングにて後進ヨガインストラクターの育成にも力を注ぐ。

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