ヨーガ・スートラと目覚まし時計


今までに、朝めざまし時計で不愉快な思いをして目を覚ましたことはありませんか?

おそらく誰でもが、そのような経験をしたことがあると思います。

せっかく一日が始まろうとする大切な時に、毎回不愉快な思いをして目を覚ますことは、人生で非常な損失の一つではないでしょうか。

しかし、その習慣を変えようとする人は、ほとんどいません。些細なことかもしれませんが、めざまし時計に対する依存心から離れることで、人生の大切なことを手に入れられるかもしれません。

 

○人間は本来完璧な目覚めのシステムを持っている

今まで皆さんは、翌朝大事なことがあって寝坊が出来ない時、寝る前に起床時間を意識すると不思議に、目覚まし時計が鳴る前に、自然に目をさました経験がありませんか?。

そうした不思議な経験は、誰でもあると思います。本来眠っているので、意識がないはずなのに、どうして起きたい時間に起きられるのでしょうか。

多くの人が、目が覚めるということは、ただその時にまぶたが開いて、意識が戻ると思ってはいないでしょうか。

しかし、人間の生態メカニズムは、朝起床するまでに、数時間前から周到な準備をしているのです。

具体的にはコルチゾールというホルモンが、朝起きる2~3時間前から少しずつ体内に分泌され、それによって人間は目がさめるのです。

コルチゾールというホルモンが果たす役割は、体内の血糖値を上昇させて、肉体的に活動する状態を整える働きがあります。

人間は夜にメラトニンというホルモンが体内に放出され眠くなり、睡眠中に朝が近づくにつれて、コルチゾールが放出され、目が覚めるのです。

そして、人間はその素晴らしい生体メカニズムを、自分の意思で使いこなすことができるのです。

つまり、前夜に起床時間を無意識の世界に伝えておくと、自分は眠って意識がなくなったとしても、無意識の世界が働いて、起きたい時間に自然と目がさめるのです。

実は、この無意識の力は、本来自分が持っている能力で、それを信じれば信じる程、私達に無限の可能性をもたらしてくれます。

 

○依存心は自分の本来の可能性を失わせる

夜に眠くなり、朝に目覚めるリズムを、本来人間に備わっている完全なサイクルなのに、現代人はそれを逆に破壊してしまう行動をとっています。

その結果、本来は完全に機能するメカニズムを持つ、心と身体がうまく機能しなくなってしまうのです。

そして、人間の素晴らしい機能を発揮させない最大の原因が、「依存心」です。

人間は本来完全な機能を持ち合わせているのに、自分以外のものを信じる「依存心」が、全ての完全なる感覚を見失わせるものとしています。

その一例が、朝の目覚めです。1日のスタートである、とても大切な目覚めの瞬間にもかかわらず、「目覚まし時計」に頼って、しかも非常に不愉快を感じて迎えるとしたら、それこそ非常に大きな損失です。

最近の研究では、「目覚まし時計」による心身への悪影響が、以下の点でクローズアップされています。

 
1) 血圧の急上昇
朝は就寝中の発汗により、身体は水分が不足しており、血液の状態はドロドロです。このような状態で、目覚ましの音で急に起きると、血圧の急上昇を招きます。朝に、脳梗塞や心臓マヒが起きやすいのも、こうしたことが原因です。

 
2) 自律神経系
人間の睡眠サイクルは、レム睡眠とノンレム睡眠という2つの種類の眠りがあり、深い眠りと浅い眠りのサイクルがあります。

本来目覚めるタイミングは、浅い眠りの時ですか、こうしたサイクルを無視して、「目覚まし時計」によって起こさられると、自律神経系が乱れます。

つまり、人間本来のシステムが壊されてしまうのです。

 
3) 副腎疲労
朝私達を目覚めさせるホルモン・コルチゾールは、副腎で作られ、肉体的活動準備として、血圧の上昇や血管を収縮させる機能を持ちます。

通常は、朝目がさめる2~3時間前から少しずつ体内に分泌され、穏やかに起きるメガニズムが人間の本来の機能です。しかし、「目覚まし時計」で突然強制的に起こされれると、コルチゾールも急激に放出され、副腎が非常に疲労してしまいます。

実は、この副腎が作り出すホルモンこそが、我々をストレスから守る大切な臓器なのです。しかし、それが毎朝「目覚まし時計」によって酷使されることで疲労していきます。

その結果、日常生活のストレスに上手に対応できなくなり、心身のバランスを崩す大きな原因となるのです。

 

○完全なる自分の存在を信じよう!

このように朝起きることであっても、人間には本来完璧なシステムが備わっているのです。

しかし、その自分が本来備えている完全性を見失させてしまう、最大の原因が「依存心」です。

つまり、「依存心」とは、自分を信じないことに繋がっているということなのです。

そして、その「依存心」がさらに進むと、「執着心」が生じて、気が付くと自分は自分以外のものに束縛されで身動きとれない状態になってしまうのです。

「目覚まし時計」1つとっても、そうした「依存心」によって、自分の本来の機能を発揮させるのに最大の障害を生じさせてしまうのです。

そして、ヨガの究極的な目標は、そうした「自己の束縛」を取り除き、人間が本来持ち合わせている無限の可能性を自由自在に使いこなすことなのです。

古来よりインドに伝わるヨガの根本経典「ヨーガ・スートラ」では、最後の章がサンスクリット語で「カイヴァリャ・パーダ」、日本語にすると「独尊の章」です。

独尊とは、「完全に独立した尊い存在」ということです。

つまりヨガでは、自分以外のものに依存したり、執着することせず、本来完全なる存在である尊い存在に戻ることが目標なのです。

そして、その完全な独立存在になったとき、本当の意味で人間は無限の可能性に満ちた、自由自在の存在となるのです。

それには、身近な「目覚まし時計」に頼る生活を改めるのも1つの方法です。

「目覚まし時計」に依存しないで、起きるようになると、自分の無意識の使い方が判るようになり、自分の潜在的な豊かな能力に気づくことができます。

私達が本来完全なる存在に至る道のりは、非常に長いものですが、身近な生活を通じて、「依存心」や「執着心」を取り除いてゆくことが、真実の自分に至る最善の道なのです。

 

 
(あとがき)

私が「目覚まし時計」を使わないで起きることができた要素です。
参考にしてみてください。

1) 基本的に朝型の生活に変える

2) 起床時間を変えない。疲れているときは、早寝をする

3) 起床後にすることを明確にする

4) 夜遅くに食事をしない

5) 寝る前に刺激のあるテレビやネットを見ない

6) 寝る時に睡眠時間にとらわれず、睡眠十分な休息が得られると信じる

7) 寝る時に、起きる時間を明確に意識する


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この記事の著者

ユキオスダルシュナヨガ主宰

ヨガ歴20年、ヨガ指導歴13年。日本で最も有名なアシュタンガヨガスタジオIYCほか、国内著名ヨガスタジオ、スポーツジムにて指導経験を積む。取得した指導者養成資格多数。近年は、ヨガ哲学をテーマにワークショップを数多く開催する一方、ティーチャートレーニングにて後進ヨガインストラクターの育成にも力を注ぐ。

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