人生には張りが必要


日本語の表現で、良く「張り」と言う言葉を用いることがあります。例えば、「人生に張りができる」とか、「張り切って仕事をする」とか、「張り合いがある」とか、「張り合う」などと言った表現があります。

こうした表現を見ていくと、「張り」と言う表現は、元気が出る時に使われる表現だということがわかります。

エネルギーを出している状態とも言えるでしょう。

それでは、一体何を張ることによって、エネルギーが出ているのでしょうか。

そのメカニズムはどのようなものなのでしょうか。

 

○ 筋膜の役割

最近巷で筋膜リリースと言う言葉が用いられています。この筋膜と言うところには、気と言われるエネルギーが流れる場所でもあるのです。

ですので、日本語の「張り」を持たせると言う表現において、張りとは「筋膜」を張るということになります。

それでは筋膜とは具体的にどのようなものでしょうか。これについても、日本語の表現によって、筋膜と言う存在が理解できるようになっています。

日本語で、筋肉と言う言葉があります。これは、「筋」と「肉」と言う言葉で構成されています。つまり、筋肉という構造は、解剖学的に見ても、筋膜と赤い肉によって構成されていることがわかります。

そして、「筋」と言う言葉を使った日本語の表現を、日本人は日常生活で良く使っています。例えば、「筋が通る」とか、「筋違い」とか、「良い筋をしている」とか良く使われている表現です。

こうした表現から判るように、「筋」には気エネルギーが流れていることを意識していることが、日本語の表現からも知ることができます。

そして、この筋膜と言うものは、筋肉だけではなく、骨と骨を結びつけ、内臓のポジションを固定させる働きがあるのです。

つまり、筋膜なくして、体は1つの体として機能することは出来ないのです。

そのために、身体のあらゆる部分に、筋膜が張り巡らされているのです。

 

○ 張り具合が大切

日本語で張りを持たせると言うのは、解剖学的に言うと、筋膜を張ると言うことになるのです。

筋膜が張られた状態になると、そこに気のエネルギーが流れ、いわゆる元気な状態となります。

その為、日常生活でも筋膜に張りを持たせる必要性があるのです。

そしてヨガのポーズの練習は、この筋膜を活性化させ、筋膜にエネルギーを通らせる練習でもあります。

その為に練習をする際、この筋膜を意識して、常に筋膜を張る意識が大切となります。

ここで大切なのは、力むことではなく、程よい張りを保つ感覚なのです。

ヨガの練習の心得として、頑張りすぎないことが大切だと言うことが言われています。

これはどういうことかと言うと、張りを持たせるにも、適切な程度が大切だと言うことです。

日本語の「頑張る」と言う表現を分解すると、「頑(かたく)なに張る」と言うことになります。

頑とは、頑に張っている状態であり、我を張っている状態でもあります。

ヨガの練習は、自分の我と言うものをコントロールする練習でもあるので、頑張る必要性は無いのです。

何事もやり過ぎてはいけないし、かといって何もしないことは良くないことです。

その両者のバランスをとりながら、常にある状態を保つことが理想的な生き方につながるのです。

この点に関して、釈迦が悟りに至るまでの経緯を観ると、よく判ることがあります。

釈迦は、国王の息子と言う恵まれた地位を捨てて、悟りを得るために、山にこもって6年間断食を中心とした、苦行や荒行を続けました。

そのような激しい修行をしている中で、本当に体力の限界にさしかかったとき、通りかかったスジャータと言う娘の歌を聞きました。

その歌の内容は以下のようなものです。

琴の弦を締めすぎると切れてしまうが、締め方が弱いと音が悪い。琴の弦は適当に締めるのがいい。

釈迦は彼女の歌を聞き、自分の修行の行き過ぎを感じ、荒行を辞める決意をしました。

そしてスジャータが差し出す乳粥を食べることで体力を回復し、ブッダガヤの沙羅双樹の木の下で瞑想を行い、究極的な悟りに達したと言われています。

こうした経緯から、釈迦は「中道」と言う教えを広めたと言われています。

どんなことも、やり過ぎは良くないし、かと言ってやらないのも良くないという事です。

そして、この中庸の考え方が、この相対的な迷いの世界から脱出できる唯一の方法でもあるのです。

 

○ アーサナの練習も筋膜を意識する

アシュタンガヨガなどでは、ハンドスタンドなどアームバランス系のポーズは、一見すると力で持ち上げているように見えますが、実は違います。

一番大切なのは、身体のコアと体重移動によるバランスなのです。

身体のコア、即ち軸を養うには、筋膜をしっかり張ることによって習得することが出来ます。

脳は身体の感覚を筋膜の信号から感じています。つまり、脳は個々の骨や別々に存在する筋肉を、それぞれ意識していません。

脳は、筋膜を通して身体を、一つのユニットとして認識しています。

そして、身体の軸は、筋膜が個々の骨と筋肉を一つにまとめることで成立するものなのです。

ですから、ハンドスタンドする時は、筋膜をしっかり張り、身体の中にしっかりと軸を構築して、前に体重移動すると、自然と足が上に上がるのです。

その時大切なのは、腕力ではなく、筋膜をしっかり張ることができるかということになります。

こうした練習を通じて、筋膜が活性化して、身体にエネルギーがみなぎり、バランス感覚も養われていきます。

つまり、アーサナの練習で得られる恩恵は、筋膜を活性化させることによる「エネルギー」と「バランス感覚」と言うことになります。

 

 
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この記事の著者

ユキオ

ユキオスダルシュナヨガ主宰

ヨガ歴20年、ヨガ指導歴13年。日本で最も有名なアシュタンガヨガスタジオIYCほか、国内著名ヨガスタジオ、スポーツジムにて指導経験を積む。取得した指導者養成資格多数。近年は、ヨガ哲学をテーマにワークショップを数多く開催する一方、ティーチャートレーニングにて後進ヨガインストラクターの育成にも力を注ぐ。

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