ヨガがもたらす7つの効果


ヨガの真なる恵みとは

ハタヨガといわれるものが、一般的に今日ヨガと認識されている身体を使ったヨガのカテゴリーです。そこには、アシュタンガヨガやアイアンガーヨガ、陰ヨガも含まれます。

そのハタヨガの効能について、7つのポイントを整理したいと思います。このポイントを、普段の練習で意識するだけで、非常に深くなり、結果的に「スダルシャナ」を早く手に入れることができます。

1) 意識を内側に向ける

普段私たちは日常生活をしている中で、意識を内側に向けるような場面はほとんどありません。朝起きてから、通勤をして、仕事をして、夜寝るまで一日中意識は外に流れ続けています。しかし、ヨガのポーズをすると、自然と身体に意識を向けることになります。そうすると、普段意識することの無い身体の感覚を感じ取ることができ、さまざまな気づきが得られます。それが意識を内側に向ける第一歩となり、次第と自分の心にまで意識を向けるようになります。この意識を内側に向ける作業こそが、真実をありのままに観ることの第一歩となります。

2) 身を委ねる

ポーズの練習で一番難しいことは、実は高度なポーズを取ることではなく、無駄な力みを抜いて身を委ねることです。どのようなことかと言うと、練習中の無駄な力みや緊張は、「私」という「エゴ」の現れでもあるのです。「私」が練習して、「私」が上手になって、「私」の満足感を高めようとしている時に、こうしたことが起きるのです。しかし、ヨガでは「私」という「エゴ」に振り回されるのではなく、「私」をコントロールすることが目的です。ですから練習中は、崇高なる存在に身を委ねるようにして、無駄な力みや緊張から解放された状態で練習に臨む姿勢が大切です。

3) 軸の確立

ヨガのポーズの姿勢は、普段意識することのない深層筋に働きかけをします。そうした深層筋は、日常生活で私たちの姿勢を作る上で深く関係しています。しかし、普段の生活では、あまり深層筋を意識することはありません。しかし、ヨガのポーズは、そうした深層筋を意識させ、活性化させていきます。それによって、日々の練習を積み重ねることによって、自然と身体に軸が確立します。姿勢が美しく見える人には、身体の中に軸というものが存在します。そして、そうした肉体的な軸が出来ると、心の中にも軸が出来ることを感じるようになります。この軸の意識こそが、どんな時にもブレない自分を作る上で非常に大切なものとなります。

4) 呼吸を意識する

ヨガでは、呼吸をサンスクリット語でプラナヤマと呼び、その目的とするところは心のコントールと宇宙エネルギーであるプラナの吸収です。私たちの心は、いつも忙しく動き回り、ひとつのところに留まろうとはしません。無理矢理コントロールしようとしてもなかなかうまく行きません。しかし、心は呼吸のコントロールによって、容易にコントロールすることができます。呼吸によってプラナ(気)を吸収し、それを身体に留めることによって元気になります。意識して呼吸を行うことによって、心は落ち着き、元気を取り戻せるのです。

5) エネルギーの創造

人間の身体のなかには、チャクラというエネルギーポイントがあり、そのポイントを活性化させることによって、エネルギーがみなぎるように出来ています。ヨガのポーズの練習には、普段の生活では活性化しにくいエネルギーポイントに働きかけ、活性化させる役割があります。こうしてエネルギーみなぎる身体によってこそ、初めて現実に向き合う力を得ることができ、結果的に自分の人生を変革できる「スダルシャナ」を自由に操ることができるようになります。

6) クレンジング効果

インドの生命の科学といわれるアーユルヴェーダでは、人間が病気となる原因は食べ物の未消化物であるアーマが原因と定義しています。つまり、身体に溜まっている老廃物を、身体から取り除くことが健康を得る上で必須となります。ヨガのポーズでは、特に前屈をすることによって、内蔵に対するマッサージ効果が生まれ、老廃物の排出効果を高めて行きます。そして、それだけに留まらず、身体に封じ込まれているネガティブな感情やストレスなど、身体を伸ばすことによって解放していく作用があります。

7) 意識の調和

私たちの心は、さまざまな外界のことがらに心が動き、それらに執着することで心のバランスを失い、結果的に病気を招いてしまいます。しかし、どんなに心が動いても、そのバランスを取ることを意識すれば、それに振り回されたりはしません。ヨガのポーズ練習の要素のひとつに、身体のバランス感覚を育む点があります。しかも、その身体的なバランス感覚を磨く練習は、単なる肉体的なものに留まらず、精神的なバランス感覚の育成にも繋がっていきます。そうすることによって、いつしか自分の心が調和していくことに気づくでしょう。


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この記事の著者

ユキオスダルシュナヨガ主宰

ヨガ歴20年、ヨガ指導歴13年。日本で最も有名なアシュタンガヨガスタジオIYCほか、国内著名ヨガスタジオ、スポーツジムにて指導経験を積む。取得した指導者養成資格多数。近年は、ヨガ哲学をテーマにワークショップを数多く開催する一方、ティーチャートレーニングにて後進ヨガインストラクターの育成にも力を注ぐ。

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