バガヴァッド・ギーター 第6章の、「自ら自己を克服した人にとって自己は自己の友である。しかし自己を制していない人にとっては自己はまさに敵のように敵対する」その意味するものと自己の対処方法について。
サンスクリット語で自己の事を、アハンカーラと言う。
アハンが自分と言う意味で、カーラが行為を意味する。
そして、その自分の行為が自らの助けにもなるし、自らの敵ともなる。
そして、自らの敵となる根本原因は、欲望(カーラ)である。
そして、その欲望が生まれるところは、五感とその対象物に対する執着から生じる。
ヨーガ・スートラでは、その欲望が産み出す自己の敵を、6つ順番を追って紹介している。
○ 欲望が産み出す自己の敵
カーマ(欲望)・クローダ(怒り)・ローバ(貪欲)・モーハ(迷妄)・マダ(高慢)・マスチャリア(嫉妬)で、全てはカーマから始まっている。
ヨガの練習でも難しいポーズをしたいという欲望から、この6つの自己の敵が活動し、練習者を苦しめる光景はよくあることである。
インド哲学では、自己をマーヤ(幻の世界)に生きるものと説いているが、現代の科学でも、意識は無意識の行動の後に生じる創作物であることを、リベット教授はその著書「マインドタイム」で説明している。
自己を制するガキは、トリグナ(サットバ・ラジャス・タマス)の変化と精妙な自己認識である。
特にマナス(心)は、トリグナに影響され、それによって心の汚れを産み出してしまうので注意が必要である。
そして、心の汚れが溜まると、精妙な自己認識が不可能となり自己が堕落してしまう原因となる。
精妙な自己認識については、日本における禅の思想が我々日本人にとても深い示唆を我々にもたらす。
十牛図(じゅうぎゅうず)や道元禅師の言葉や世阿弥の言葉から、そのヒントを知ることができる。
ユキオ先生による、十牛図から読み解くヨガ哲学の解釈と解説は毎回人気で、生徒さんの反応がとても良いクラスです。
クラスのテーマ、リクエスト等がありましたら、お気軽に声をお寄せ頂ければと思います。
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