クールビズとヨガ指導者養成コースの盲点


私はヨガ哲学のクラスの中で、徹底的に「何故なのか?」との問いを参加者に発し続けます。

なぜならば、大半の人は知識を持っていても、思考停止状態であるからです。

そして、思考停止状態であるが為に、自分の行動が本末転倒して、目的を見失っていることが非常に多いからです。

 

○ クールビズとは何か

私は社会人として会社で働いた当時は、服装のクールビズなどなく一年中ネクタイと背広を着ていました。特に夏場は暑く通勤時など息苦しいものでした。

しかし、最近ではすっかり服装のクールビズが定着しており、5月以降はネクタイを外し、背広も着ないことが多くなりました。

そして現在、私は大企業のオフィスで、システムエンジニアとして仕事をしています。30階近くの高層タワーのオフィスでは、数千人のサラリーマンが働いています。

ただそこで問題なのが、オフイス館内の冷房が強すぎて、とくに午後になると上着を着たくなるほど冷えてきます。仕事を終えて、ようやく外に出て外気に触れてほっとする有様です。

近くに座っている職場の同僚など、寒さの為に体調を崩して、仕事を休んでしまっています。

 
本来クールビズが始まった時は、冷房の温度を高めに設定して、電力などのエネルギーの無駄を無くすことが目的でした。

しかし今ではその目的が忘れ去られてしまって、今では多くのオフイスで服装はカジュアルになったが、冷房の温度を高めに設定するなど忘れ去られています。

これでは、当初の目的である省電力という、クールビズの本当の効果がどれだけでているのか、疑わしく感じられます。

 
このように日常生活のなかで、なぜそのような行動をするのか、本質的な問を忘れ去ってしまい、思考停止状態になっている場合が非常に多いです。

 

○ ヨガ指導者養成コースの盲点

私は現在、陰ヨガ指導者養成コースとヴィヤサヨガ指導者養成コースを教えていますが、参加者の大半がヨガに対して思考停止状態の場合が多く感じられます。

私のクラスを受ける前に、様々なヨガ指導者養成コースを受講して、そこそこ知識を持っていても、思考停止状態の為、多くの人が実際にその知識を活せていないのです。

 
例えば、「なぜヨガのクラスでは、オームと唱えるのですか?」「ヨガではなぜ、心の動きを止める必要があるのですか?」「なぜ欲望を持つことが、苦しみの原因なのですか」と質問すると、大半の人が始めて質問されたかのような顔します。

 
これまでも、ヨガインストラクターとして活動している・していないにかかわらず、こうしたヨガに対する本質的な疑問を持たず、思考停止状態になっているのです。

これでは、いくらヨガの知識を頭の中に記憶したとしても、全く役に立つことはないでしょう。

 
また、一部の生徒さんからは、こうした本質的な質問を、今まで受講した指導者養成コースでは、質問しにくい雰囲気があったりすると言われていました。

しかし、学ぶことの本当の楽しさは、知識の暗記にあるのではなく、「何故なのか?」との問いを自ら発することによって、物の本質を追求することにあります。

 
物事の本質を知りたいという欲求は、我々人類の遺伝子に組み込まれた本能です。その遺伝子は、知ることに通じて、脳内にエンドロフィンという快感を感じさせる神経伝達物質を放出させます。

 
ですから、本当の学びには、強烈な快感が伴うものです。これから、せっかくヨガ指導者養成コースを受講するならば、退屈や苦痛を伴うのではなく、快感を伴うものを受講したいですね。


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この記事の著者

ユキオスダルシュナヨガ主宰

ヨガ歴20年、ヨガ指導歴13年。日本で最も有名なアシュタンガヨガスタジオIYCほか、国内著名ヨガスタジオ、スポーツジムにて指導経験を積む。取得した指導者養成資格多数。近年は、ヨガ哲学をテーマにワークショップを数多く開催する一方、ティーチャートレーニングにて後進ヨガインストラクターの育成にも力を注ぐ。

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