身を委ねる


身を委ねる

普段の生活で無意識に力んでしまって、身体が緊張していることはありませんか。その緊張感を生み出している、主な原因として「私」という「エゴ」の自意識があります。しかし、その「エゴ」は無意識の中でいつも働きつづけているので、その緊張をなかなか解放させることが出来ません。

では、その緊張に向き合い、それを解放させる有効な方法はあるのでしょうか。
実は自分の身体を意識しながらも、その身体の緊張を解くことによって、無意識に緊張し続けている心をほぐすことができるのです。

身体を使って緊張を解く

ヨガのポーズ練習をすると、ある姿勢をとることによって、必ず自分の身体の硬さを感じます。その時、そのポイントをさらに踏み越えて、ストレッチしようとすると、身体も心も緊張します。その時に、それに対抗しようとして、力任せに身体をのばそうとすると身体を痛めてしまいます。これでは、ヨガの効果を受けることは出来ません。

では、その時にどうすれば良いかというと、その緊張状態と向き合い、まずはそれを客観的に感じて、その状態を受け入れます。それを自分自身がしっかりと受け入れることによって初めて、その状態の中で緊張状態を少しずつほぐすマインドが作られます。つまり、緊張状態に対抗するのではなく、受け入れることによって初めて、身体が柔らかくなることを理解できるようになるのです。

このヨガでの練習の気づきは、実は日常生活でも応用することができます。
仕事や対人関係の場面でも、緊張したりストレスがかかった時に、まずはそれを受け入れ、向き合うことによって、緊張をとる感覚がわかるようになります。こうしたことが、ヨガの練習を日常生活に活かすポイントでもある訳です。

緊張の原理とは

人前で緊張してしまうことがあると思いますが、それは、相手に対して自分がどのように見られているかを過剰に意識していることが原因です。この自意識こそが、「エゴ」と言われるものです。ヨガでは、この「エゴ」こそがすべての苦しみの原因になっていると考えます。ですから、この自意識を解放させる必要があるのです。

それには、「私」という意識を捨てて、すべてを委ねてしまうことがとても大切になります。ヨガの練習をする時に、身体の声を聴き、その声に素直に身を委ねてみると、意外な程に緊張が緩和され、リラックスすることで身体が弛緩して自然とストレッチが深まる体験をして行きます。

この小さい「私」という意識を捨てて、自分を絶えず見守り、自分を導いている存在に意識を向け、それに身も心も委ねて練習すると、過剰な緊張を解消し、心地良い心身の安らぎを見出すことができるでしょう。これこそが、ヨガの醍醐味でもあります。


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この記事の著者

ユキオスダルシュナヨガ主宰

ヨガ歴20年、ヨガ指導歴13年。日本で最も有名なアシュタンガヨガスタジオIYCほか、国内著名ヨガスタジオ、スポーツジムにて指導経験を積む。取得した指導者養成資格多数。近年は、ヨガ哲学をテーマにワークショップを数多く開催する一方、ティーチャートレーニングにて後進ヨガインストラクターの育成にも力を注ぐ。

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