ヨガを練習する意味とは


ヨガの練習を始めると、ポーズを上手に出来ることのみが、目標になってしまう場合があります。

しかし、これは非常に危険なことなのです。なぜならば、高度なポーズができるからと言って、その人がヨガを深めていることの証明にはならないと言うことです。

私は長年ヨガを練習している間に、高度なポーズができることで、自己顕示欲が強くなったり、傲慢になったり、競争心が強くなったりする人を多く見てきました。

また、ただヨガの練習をしていた時は純粋だったのが、ヨガインストラクターになって、エゴを増大させてしまう人もいます。

 
なぜそのような事になってしまうかと言うと、ポーズが出来る出来ないという結果に執着して、高度なポーズができることで自己を確立しようとするからです。

 
しかし、ヨガは偉い人になるために行うのではなく、自分の執着を捨て、自分自身を純化して、意識を内側に向けることで、自分の本質に気づくことが目的なのです。

 

○ アシュタンガヨガとは

アシュタンガヨガの創始者パタビ・ジョイス師の有名な言葉に、「99%プラクティス 1%セオリー」という言葉があります。

この言葉から、とにかくヨガのポーズの練習さえすれば良いのだと考える人がいます。

実際、アシュタンガヨガは、1時間半という時間の中で、非常に数多くのポーズを実践します。

その為に、実際体育会系の運動の一環のように、とにかく肉体的な練習が最も大切だと、間違って考えてしまう人がいます。

しかし大切なのは、「プラクティス」という言葉を、どのように理解するのかが大切です。

 
そもそもアシュタンガヨガは、経典「ヨーガ・スートラ」に定義されています。

その経典は、以下の四章で構成されています。

第一章 「三昧の章」(Samadhi pada サマディパダ)

第二章 「実践の章」(Sadhana pada サーダナ・パダ)

第三章 「超自然力の章」(Vibhuti pada ヴィブーティ・パダ)

第四章「独存の章」 (Kaivalya pada カイヴァリヤ・パダ)

 
アシュタンガヨガは、サマーディに到る「八本の枝(八支則)」(アシュト/Ashto = 八、 アンガ/anga = 枝)という意味です。

 
そして、第二章から第三章で、以下のように説明されています。

1) ヤマ(Yama/禁戒)
・アヒムサ(Ahimsa)…非暴力。
・サティヤ(Satya)…嘘をつかない。
・アステヤ(Asteya)不盗。
・ブラフマチャリヤ(Brahmacharya)…貞操。
・アパリグラハ(Aparigraha)…不貪。

2) ニヤマ(Niyama/勧戒)
 ・シャウチャ(Shaucha)…清潔。
 ・サントーシャ(Santosha)知足。
 ・タパス(Tapas)…苦行。
 ・スワディヤーヤ(Swadhyaya)…聖典読経。
 ・イーシュワラプラニダーナ(Ishvarapranidhana)…自在神祈念。

3) アサナ(Asana/坐法)

4) プラーナヤーマ(Pranayama/呼吸)

5) プラティヤーハーラ(Pratyahara/感覚の制御)

6) ダーラナ(Dharana/集中)

7) ディヤーナ(Dhyana/瞑想)

8) サマーディ(Samadi/三昧)

 
特に、ヤマ(Yama/禁戒)とニヤマ(Niyama/勧戒)に関しては、ヨガマットの上で実践するものではなく、普段の生活の中で実践するものです。

こうして見るとアサナは、「八本の枝(八支則)」の中のあくまでも、1つに過ぎないことが判ります。

 

○ 「99%プラクティス 1%セオリー」の意味

アシュタンガヨガの主要な部分は、第二章 「実践の章」(サーダナ・パダ)で説かれているのです。

その為に、この「プラクティス」とは、「サーダナ」を意味しているのです。

そして、サーダナとはヨガの修行を意味しており、サーダカをヨガの修行者といいます。

ヨガの修行とは、1%セオリー(ヨガ哲学)を、日常生活すべてに応用して、実践することが大切なのです。

頭の中で考えて、何も実践することがなければ、自分を変えることが出来ません。

とにかく実践することが大切になるのです。

 
そして、その実践の内容とは、単にアーサナだけではなく、「八本の枝(八支則)」全般に亘るというこです。

 
またヨガの修行の本質は、私のという「エゴ」の為に練習をするのではなく、自分本質である「アートマン(魂)」に、捧げるための練習です。

 
「エゴ」は行為の結果に執着して、それによって増大して行きます。

その為アシュタンガヨガでは、ポーズの練習の前に、必ずマントラ(祈り)を唱えて、これから行うポーズの練習は、私のという「エゴ」の為ではなく、すべてを最高の存在に捧げることを宣言するのです。

そのマントラの内容は、以下の内容です。

 
Om

ヴァンデー グルーナーム   チャラナーラヴィンデー
Vande Gurunam  carana-aravinde

サンダルシッタ   スヴァートマ   スカーヴァーボーデー
San-darshita sva-atma  sukha-avabodhe

ニッシューレーヤセー ジャーンガリー カーヤマーネー
Nih-shreyase jangali-kayamane

サンサーラ ハーラハラ   モーハ シャンティエイ
Samsara-halahala moha-shantyai

アーバーフ プルシャーカーラン
Abahu Purusha-karam

シャンカ チャクラーシ ダーリナム
Shankha-cakra-asi dharinam

サハスラ  シラサム  シュヴェータン
Sahasra shirasam shvetam

プラナマーミ  パタンジャリム
Pra-namami patanjalim

Om

 
オーム

至高の師(グル)よ

その蓮華の御足にひれ伏して祈ります。

グルは純粋な存在に目覚める喜びを教え、

密林の薬草医のごとく

輪廻を繰り返す存在の迷いという毒を消してくださいます。

人の姿の上腕には

聖なる音を発する法螺貝(シャンカ)

永劫の時を表す火の輪(チャクラ)、分別の剣(アシ)を携え、

千の輝く頭を持つアーディシェーシャ(アシ)竜王の化身、

パタンジャリよ、その御前に伏し拝みます。

オーム

 
◎ この祈りをすることで、「エゴ」の意識から、「アートマン(魂)」へと意識を切り替えて、アサナの練習に臨むことが、非常に大切なのです。

そして、全てのアサナ練習を終えた後、練習によって浄化された心身を、練習が終えた後にも、役立てるようにと、終わりのマントラを唱えます。

その終わりのマントラが以下のものとなります。

 
オーム
Om
スワスティ プラジャービアハ   パリ パーラ ヤンタン
swasthi-praja-bhyah pari-pala yantam

ニャイェーナ  マールゲーナ  マヒン  マヒーシャーハ
nya-yena margena mahim mahishah

ゴー ブラフマネー ビャハ     シュバマストゥ  ニティヤン
go-brahmane-bhyah  shubamastu nityam

ローカーハ サマスターハ   スキノー   バヴァントゥ
lokah samasthah  sukhino bhavanthu

オーム シャーンティ シャーンティ シャーンティヒ
Om Shantih Shantih Shantih

 
オーム

子どもたち、子孫の繁栄を 導き手は守りたまえ

法と正義の道によって 為政者はこの世を治めたまえ

牛や僧侶ら聖なる者に 永遠に徳あれ

世界のすべてのものに 幸あれ

オーム シャーンティ(平安 調和 静寂)

 
◎ このように、アサナを練習する時に、最も大切なのは、練習に臨む意識の在り方であり、アサナの形ではないと言うことです。

つまり、全てに優先するのは、「アートマン(魂)」に、すべて捧げるということです。

 

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【受講者の声】

○ 櫻井秀華さん
もったいぶらず出し惜しみせず 先生のちしきをどんどん教えていただいて こんなttは正直初めてでした。

金儲けを第一に考えていない 一生懸命指導してくださるゆきおせんせいのような方は実際いまのヨガ界に少ないのでは??とさえ思えました。
お世辞ではなく本心です。なので わたしは船に八時間乗って子をゾロゾロ引き連れて内地に来た甲斐があったと感じました。

自分に一番相応しいタイミングで ゆきおせんせいのTTを受けられたらいろんなメッセージ 答えがいただけると思います。

単に技術を学びテキスト通りの答えしかもらえないTTが多いなかで こちらのTTは 一歩も二歩も先をいく内容でした。

 
○ 山本志帆さん
論理的な説明で、抵抗(目に見えない、感じることができない、いわゆるスピリチュアルな領域)を感じることがない。

車を運転しましょう!楽しいですよ!と言われる先生は多いかと。でも、車の運転の仕方がわからない。
ユキオ先生は、その運転の仕方(鍵の開け方、ドアの開け方、アクセルやブレーキの意味、使い方)を教えてくださる方だと思います。

漠然と捉えていたヨガの世界への理解、漠然と行っていたヨガの練習への意識が180度変わると思います。

 

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開催日 :【平日火曜コース】
9/12 ・9/26 ・10/3 ・10/17 ・10/31 全て火曜日開催
時間  :13:00~18:00 

開催会場:東京湾岸会場
     東京都江東区豊洲周辺

 
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この記事の著者

ユキオスダルシュナヨガ主宰

ヨガ歴20年、ヨガ指導歴13年。日本で最も有名なアシュタンガヨガスタジオIYCほか、国内著名ヨガスタジオ、スポーツジムにて指導経験を積む。取得した指導者養成資格多数。近年は、ヨガ哲学をテーマにワークショップを数多く開催する一方、ティーチャートレーニングにて後進ヨガインストラクターの育成にも力を注ぐ。

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