ヨガで一流になる方法


日本語でよく使われる一流という表現は、最近の脳科学の研究の成果によって、まさにそのものを一流であるということが解りました。

つまり一流と言われている人の脳の構造は、本当に一流だったのです。

 

○ トップアスリートの脳の構造

近年脳神経学が発達し、その研究成果が様々な分野で応用されています。特に今現在注目されているのがトップアスリートたちの脳の構造と身体能力の関係です。

トップアスリートたちは毎日気が遠くなるほど、地道な練習を重ね、その道を極めています。

そうしたトップアスリートたちの脳の構造と、一般の人の脳の構造の違いが、脳神経学の研究成果によって明らかになりました。

脳というものは、その環境や練習によって、その構造を変化成長させることができ、決して同じ状態でいるのではありません。

つまり年齢に関係なく脳の神経細胞は変化し成長していくのです。その現象を、「脳の可塑性」と言います。

脳の可塑性とは「発達段階の神経系が環境に応じて最適の処理システムを作り上げるために、よく使われるニューロンの回路の処理効率を高め、使われない回路の効率を下げるという現象」です。

このように「脳の可塑性」によって、トップアスリートたちの脳の神経構造は、一般の人に比べて明らかに違う構造上の特徴がありました。

その違いとは脳の神経構造が単純化されているということです。この脳の研究がなされる前は、予測として一流の選手たちは脳が複雑に発達していると考えられていました。

しかし実際に脳の神経構造を研究すると、真逆の結果が得られたのです。

つまりトップアスリートたちは毎日同じことを練習することによって脳の構造が単純化され、その情報経路が強化されていたのです。

しかし、二流三流の選手は、脳の神経構造が単純化されておらず複雑に絡み合っているのです。

そして脳の神経回路を単純化して強化することによって、トップアスリートたちには究極の身体能力を発揮することができたのです。

つまり日本語で「一流」という表現は、まさに脳科学の構造からも本質を表現しており、脳の神経構造が一流だったのです。

また、この脳の神経構造とヨガの練習には密接な関係があるのです。

脳は毎日毎日単純な身体のフィジカルトレーニングをすることによって、自身の脳は整えられていくのです。

同じようにヨガの練習において非常にシンプルな動きを集中して取り組み、脳の神経回路が単純化することによって、我々はマインドの静寂を得ることができるのです。

日常生活で集中力を失い、様々な思いや感情そして想念にとらわれている時は、脳の神経回路網が四方八方に、張り巡らされ異常に活発な状況になっているのです。

このように脳の神経回路が複雑に絡み合って活性化されている時は、心の状態も非常に不安定なものとなります。

しかしヨガの練習をすることによって、脳の神経構造が整えられ集中力を養うと、脳の神経回路も整うのです。

ジャック・マイヨールなど、一流のフリーダイビングの選手は、その競技に入る前に、ヨガの呼吸法をしていとこは有名な話しです。

 

○ 意識が流れるフロー状態

ハンガリー出身のアメリカの心理学者チクセントミハイ博士は、そうしたトップアスリートが最高の状態で、プレーしている時は、皆共通した意識状態であることを突き止めました。

その状態を「フロー」と名付けました。日本語の「一流」が、1つの流れを意味するように、チクセントミハイ博士も意識の流れを解明しました。

ある一流のアスリートは、まさしく「フロー」の状態になると次のような感覚が生まれると証言しています。

 
「自分の横に、もう一人の自分がいて、プレーしているのを客観的に見ている感じがする。」

 
「全てをスローに感じる。時間だけがゆっくり流れる。」

 
「リラックスしているのだけど、ものすごく集中して、ワクワクしている。」

 
「心と体が完全に一体化していて、勝手に体が動いているように感じて、最高の気分。」

 
「試合が思うように進み、負ける気がしない。」

 
「心と体が完全に調和した無我の境地だった。」

 
このような「フロー」状態を作り出す秘訣は、以下のポイントがあると考えられています。

1) 技術を繰り返し練習し、無意識の状態でも使えるレベルにする。

2) 常に心の状態や体の状態に気がつき、心の状態を整える方法を無意識に実践する。

3) イメージトレーニングを使って、あらゆる場面の成功場面、理想の場面を体験する。

 
そして、フロー状態に入れるかどうかは、報酬を期待して行動するのではなく、行動そのものが報酬になりうるときに発生します。

 
行動による結果を求めるのではなく、正に行動そのものを純粋に楽しんでいる状態が必要なのです。

 
この条件こそ、ヨガで言うところのトリグナの「サットヴァ」の状態と全く同じ状態なのです。

 
また、行動そのものに専心することは、聖典「バガヴァッド・ギーター」で説かれている「カルマヨガ」そのものの教えと通じると言えるでしょう。

 
このように4000年以上も、人々によって受け継がれたヨガの知恵が、現代の脳科学により、その合理性が証明されていることは非常に興味深いと言えるでしょう。

 
ミハイ・チクセントミハイ: フローについて | TED Talk | TED.com :


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この記事の著者

ユキオスダルシュナヨガ主宰

ヨガ歴20年、ヨガ指導歴13年。日本で最も有名なアシュタンガヨガスタジオIYCほか、国内著名ヨガスタジオ、スポーツジムにて指導経験を積む。取得した指導者養成資格多数。近年は、ヨガ哲学をテーマにワークショップを数多く開催する一方、ティーチャートレーニングにて後進ヨガインストラクターの育成にも力を注ぐ。

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