天上天下唯我独尊
天上天下唯我独尊という言葉は、いまから2000年以上前にお釈迦様が言った言葉として伝えられています。しかし、その意味するところを本当に知っている人は少ないようです。独りよがりな我がままを貫くことのように捉える人もいます。昔、暴走族がこの言葉を掲げていたのが、その誤用の典型です。
この世で悟りを開いた人物が、そのような意味で語るはずがありません。悟りとは、究極的にいうと最高の幸せのようなものであり、その前提条件として、天上天下唯我独尊があるといえます。その真の意味とは、この世に存在する中で、唯一独立して存在する自分こそが、本当に尊い存在なのであるという意味です。
自分とは何者か
ここで大切なのは、唯一存在するということです。みなさんは、自分という存在を認識する時に、どのように考えるでしょうか。自分はどこどこの会社の誰だれとか、自分はこういう場所の出身で、財産はどれぐらい持っていますというように自分を意識することでしょう。しかし、それらは自分以外の人や物や場所を通じて、自分というものを定義していることになります。
自分を、自分以外の何かを持ちだして定義する状態は、本当に唯我独尊している状況でしょうか。それは違います。いままでの自分は、すべて自分以外のもので自分を定義しており、そのような自分は非常に不確かであり、不安定なものとなります。このような状態で自分を認識している限り、本当に安定した確固たる自分を得ることが出来ません。
本当の自分とは、そのような自分以外の何かと比較対象して存在する自分ではなく、そのような比較無しに唯一存在する自分が、本当に尊い存在であると説いているのです。ほとんどの人がそうした真に尊い自分の存在を知らないで人生を過ごしています。
不透明な時代の生き方
現代は、自分以外のもので確固たる存在を見出しにくい時代です。会社も国家も、これからどのようになるのか見通しがつきにくい、不透明な時代を過ごしています。このような時代こそ、そうしたものに頼らない生き方が求められています。
その中で、まず優先すべきことは、外の環境に依存した生き方ではなく、しっかり自分自身で生きていく力を身につけることです。会社はいつ倒産するかもしれないし、定年まで勤めて年金で安心した老後が送れる保障もなにもありません。
こうした時代では、個人自らが他人に頼らずとも生きていけるような技術を身に着けていかなければなりません。そうした意味で、インターネットが急速に普及している現代は、ネットスキルを身につけて、個人が経済的リスクを負わなくても、自活して生きる道を手にすることができる時代ともいえるでしょう。
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