現在ヨガは世界的な広まりをみせておりますが、そのヨガを本格的に西洋に広めた、ある天才バイオリニストをご存知でしょうか。
その名は、ユーディー・メニューイン。
1916年に生まれた彼は、7歳にしてオーケストラと共演し、13歳の時には彼の演奏に感激したアインシュタインが、楽屋に押し掛け「これで、天国に神がおられることがわかった」と最大の祝辞の言葉を述べたことは有名です。
戦前からアメリカやヨーロッパで活躍したメニューインでしたが、戦争の混乱と最愛の妻を亡くしたことで、心身ともに疲れ果て引退の瀬戸際でした。
そんな時、1952年インドでアイアンガー師と知り合い、ヨガの指導を受けたことで、すっかり心身ともに回復しました。
そして、またバイオリンのコンサート活動を再開することができ、完全に復活することが出来ました。
その為、ヨガの素晴らしさにすっかり魅了されたメニューインは、ヨーロッパ各地にアイアンガーヨガセンターを設立し、広くヨガの普及に努めました。
当時はまだヨガに対して、西洋人も偏見を持っており、正しく理解しておりませんでしたが、世界的に有名なバイオリニストのメニューインが紹介することで、一挙に西洋社会で広く認められるようになりました。
私は若い頃より、クラシック音楽を楽しんでおりました。
その中では、もちろんメニューインの演奏も大好きで何枚かレコードを持っていました。
若い時見たメニューインの写真の一枚が、オーケストラの指揮台上で、逆立ちをしている写真でした。
当時はまだヨガをしていなかったので、とうしてメニューインがそんな所で、逆立ちをしているか理解できませんでした。
しかしその後、メニューインこそが、アイアンガーヨガを広めた立役者だということがわかったんです。
そのために、若い頃に見たメニューインのオーケストラでのヘッドスタンドをする写真は、ヨガであることが理解できました。
調べてみると、その時メニューインはヘッドスタンドをしながら、両足でオーケストラを指揮したそうです。
アイアンガーヨガには、ヘッドスタンドに関して様々なバリエーションがあるので、そうしたことも納得いたしました。
そしてメニューインは、若い演奏家に対して、ヨガは単に健康回復だけでなく、バイオリンを演奏する姿勢を養うことに対しても、大切であると力説しております。
彼の著書「ヴァイオリンを愛する友へ」では、次のように書かれております。
「体重の不均衡、足の堅さは、演奏に欠かせないしなやかさをうばい、苦痛である。」
「それは身体の動きを理解するという単純な問題ではない。
仕組みを理解しなければならない。
私が言いたいのは、身体のあらゆる部分が、他の骨、筋肉、四肢と調和したとき初めて、最高の動きを示すということだ。
私にとって、ヴァイオリンの演奏はそうした状態をさしており、その過程で演奏者の身体は自己を自覚し、内面的な調和を感じとる。」
これを読む限り、メニューインはヨガの真髄を理解して、それを自分のヴァイオリンで応用していることが判ります。
毎日のヨガの練習も、ただマットの上で終わるのではなく、このように自分の日常生活に活かしてこそ、本物になるのではないでしょうか。
その為、アンアンガー師の名著「ハタヨガの真髄」では、その冒頭でメニューインの賛辞が掲げられております。
もしメニューインと言う存在は居なければ、これほど西洋社会にヨガが深く根付いたかどうか判らなかったでしょう。
メニューインは、82歳で亡くなるので、元気に演奏活動の他、音楽教育にも情熱を持って活動しました。
それらも、毎日のヨガの練習の賜物であったことは、間違いないでしょう。
最後に、1985年に収録されたメニューインの演奏によるバッハをお聴き下さい。
非常にバランス良い姿勢で、しかも力強く演奏する姿には、ある種の美しさを感じぜずにはいられません。
もちろん、バッバの演奏が素晴らしい名演奏であるのは、当然のことです。
J. S. Bach – Partita III solo violin. Yehudi Menuhin (1985)
ユキオ先生の人気のヨガブログテーマ
「ヨガを続ける7つのコツ」新たな解説も入ったPDFテキストが無料でもらえる、メルマガへの登録はこちら。
日常生活に溶け込む、ヨガ哲学の面白いメールマガジンを配信中です。
スダルシャナヨガのメルマガ登録は、→ → ここをクリック!
この記事が気に入ったらいいね!!
最新情報をお届けします
Twitterでsudarshana-yogaをフォローしよう!
この記事へのコメントはありません。