リオのオリンピックは日本選手団の活躍もあり、日本国民の関心の的でした。
日頃から鍛えぬかれた身体と精神力で、競技を競う選手たちの姿を見て、感動と喜びをもたらしてくれたことは、とても素晴らしいことだと思います。
また、オリピック選手団達の競技を観ていると、改めて人間の身体の素晴らしさを感じます。
その中で、身体の軸の大切さとヨガのアーサナにおけるコアの大切さを認識しました。
○回転と軸の大切さ
体操競技などでは、空中での身体の回転数を競われています。また、同じようにフィギュアスケートも、回転数が多いほど優秀とされています。
では、その回転数を決める大きなポイントは、何でしょうか。
同じ力をかけたとしても、ある選手は三回転もできないが、ある選手は簡単に三回転を決めることができます。
その決め手となるのは、身体の回転軸が真っ直ぐで、ブレないことだそうです。
その為、選手は回転する時に、身体の中心軸を作り出す為、コアの筋肉を使って、身体を絞り軸を作り出しているのです。
軸が真っ直ぐであればあるほど、ブレなくなり、無駄なエネルギーロスがなくなり、その結果より多くの回転数を生み出すことができるのです。
そして、この身体の構造は、私達の日常生活ても、大きな影響を及ぼします。
ヨガでは、身体の柔軟性ばかりを養うものだと、考えられていますが、実は同じように身体のコアの筋肉を活性化させることが大切です。
身体のコアの筋肉を活性化させると、姿勢が美しくなり、疲れにくい身体となります。
実は、身体が歪んでいると、知らず知らずの内に、疲れやすい体質となってしまいます。
身体に歪みがあると、歪んでいるために、長時間座っていると、その姿勢を保つのに、歪んでいない人と比べると遥かに無駄なエネルギーを消費します。
その為、ヨガでは身体の姿勢を作っているコアの筋肉に働きかけ、そして、ねじりを中心としてポーズが身体の歪みを整えているのです。
○コマの回転と心の静寂
実は、身体の軸は、単に肉体的なものだけでなく、精神的にも影響していきます。
ゆっくりとした動きで、コアの筋肉に働きかける動作は、脳を刺激して、セロトニンという神経物資の分泌量が増えると言われています。
セロトニンは、感情のバランスを整え、心を穏やかにする作用があります。
ですから、姿勢が美しい人は、絶えずコアの筋肉を活性化させているので、脳内のセロトニンが放出され、心が穏やかになるのです。
その意味で、姿勢の美しさと、心の穏やかさは関連があると言えるでしょう。
また、心を静寂にするには、どのようなことが必要でしょうか。
心が、静かになっている状態は、丁度コマがエネルギーに満ちて、良く回転している状態に似ています。
つまり、回転数が高ければ高いほど、コマは静止しているように見えるのです。
心も、これと同じ原理で、自分自身にエネルギーが満ちていて、集中力が備われば、心は丁度コマのように静止します。
自分の中にエネルギーが無かったり、注意力が散漫で、ほんやりしていても、心の静寂は訪れることはありません。
そして、その心の回転数を落とさないようにするには、心の中にしっかりとした自分軸を構築する必要があります。
ヨガ哲学では、この世は相対的価値観で、構成されていると言われています。
その相対性の世界において、ある一方向に執着したり、心のこだわりがあると、しっかりとした心の軸を持つことができません。
その結果、様々な価値観に影響され、心のエネルギーは低下していき、軸が大きくブレていくことになります。
その意味で、ヨガのポーズによって、身体に軸を作り、ヨガ哲学によって、心の執着や因われから解放されることによって初めて、疲れにくい身体と心を手に入れることができるのです。
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